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目次
はじめに:お酒=太る、は本当か?
「ダイエット中はお酒NG」とよく言われます。
たしかに、アルコールはカロリーもあるし、食欲も増えるし、つい飲みすぎてしまうこともある…。
でも、それって本当にすべてのお酒に当てはまるのでしょうか?
実は「どんな種類のお酒を、どんなタイミングで、どんな飲み方をするか」によって、体への影響は大きく変わります。
本記事では、太りにくいお酒の選び方から、シチュエーション別の工夫、そして職業柄お酒を避けられない人が実践すべき具体策まで、ダイエットとお酒の関係を網羅的に解説していきます。
正しい知識と行動で、お酒とうまく付き合いながら理想の体を目指しましょう。
お酒の種類と太りやすさの違い
蒸留酒と醸造酒とは?
お酒は大きく分けて、**「蒸留酒」と「醸造酒」**の2種類に分類されます。
分類 |
お酒の種類 |
特徴 |
---|---|---|
蒸留酒 |
ウイスキー、焼酎、ウォッカ、ジン、ラムなど |
アルコール度数が高い/糖質がほぼゼロ/香りは控えめ |
醸造酒 |
ビール、日本酒、ワイン、梅酒など |
糖質を含む/風味や香りが豊か/アルコール度数はやや低め |
なぜ蒸留酒の方が太りにくいのか?
理由は大きく2つあります。
① 糖質がほぼゼロ
蒸留酒は、発酵させたお酒をさらに「蒸留」という工程でアルコールだけを取り出して作るため、糖質がほとんど残りません。
→ 血糖値が上がりにくく、インスリンの分泌による脂肪蓄積のリスクも低いのです。
一方、醸造酒は原材料(米・麦・果物など)の糖質がそのまま残っています。
→ 飲んだ直後から血糖値が上がり、脂肪合成モードに入りやすい。
② 体内での代謝速度が遅い=飲みすぎにくい
蒸留酒はアルコール度数が高いため、チビチビ飲むスタイルになりやすい。
結果、飲む量をコントロールしやすく、摂取カロリーの抑制にもつながります。
醸造酒は飲みやすいためゴクゴク飲んでしまいがちで、1杯あたりのカロリーも高い傾向にあります(ビール中ジョッキで約150kcal、日本酒1合で約200kcal)。
アルコールと脂肪燃焼の関係|代謝のメカニズム
アルコール代謝が脂肪燃焼を妨げる理由
アルコールは「体にとって毒物」として処理されるため、最優先で分解・代謝されます。
その結果、どうなるかというと──
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アルコールの代謝中は、脂肪が燃焼されにくくなる
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さらに糖や脂質もエネルギーとして使われにくくなる
つまり、お酒を飲むと他の栄養素が余剰として体脂肪に回りやすくなるのです。
例えば、夕食で糖質や脂質を摂ったあとにお酒を飲むと、その糖や脂質が「使われずに残り」、体脂肪に変換されやすくなる、という仕組みです。
飲酒後の脂肪合成が進みやすいタイミングとは?
もっとも注意すべきなのは、飲酒中とその直後の時間帯。
特に、寝る前の飲酒はかなり代謝を妨げます。
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夜の飲酒 → 就寝中もアルコール代謝が優先 → 脂肪の分解がストップ
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寝てる間に代謝が落ち、体脂肪が蓄積されやすい
さらに、肝臓がアルコール処理に追われるため、筋肉合成に必要なアミノ酸の利用効率も低下。
つまり、筋トレ後の飲酒は回復を妨げるリスクもあるということです。
シチュエーション別おすすめのお酒と注意点
居酒屋・接待でおすすめの頼み方
職場の飲み会や接待では、「選べない」「断れない」状況もありますよね。
そんな時は、以下の順で考えましょう。
優先順位:蒸留酒(ハイボール・焼酎) > 赤ワイン(少量) > ビール・日本酒(1杯だけ)
工夫ポイント:
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乾杯はビールでもOK。最初の一杯だけと割り切る
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2杯目からはハイボール・ウーロンハイにチェンジ
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おつまみは「焼き鳥(塩)・刺身・枝豆・冷奴・サラダ」など、高たんぱく低脂質系を選ぶ
家飲み・晩酌ならこれを選べ
自分でコントロールしやすい家飲みでは、よりダイエット向けの工夫ができます。
おすすめ:
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ハイボール(無糖炭酸割り)
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焼酎の水割り・お湯割り
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ウイスキーのロックやストレート(量に注意)
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ノンアルビール・糖質ゼロチューハイ(どうしても飲みたい時用)
避けたい:
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梅酒や甘いカクテル系(砂糖が多い)
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スナック菓子・チーズ・唐揚げなど高脂質つまみとのセット
BBQやイベントなどで「飲みすぎ防止」するには
外での飲み会は「雰囲気」に流されてしまいやすいですが、以下のルールが有効です。
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飲み始める前にプロテイン or ゆで卵を1個食べておく → 食欲暴走を抑える
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「1杯につき、水1杯をセット」で飲酒量を制限
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「立って動きながら飲む」「会話メインにする」など、“ながら飲み”でペースダウン
飲みながら痩せたい人へ|3つのゴールデンルール
糖質×脂質×アルコールの「三重取り」を避ける
太りやすい飲み方の典型は、
**「ビール×揚げ物×シメのラーメン」**のように、糖質・脂質・アルコールが一度に揃ってしまう組み合わせ。
→ この状態は、脂肪合成が最も進みやすい最悪のパターンです。
痩せたいなら、飲む日は
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炭水化物は控えめ(シメはカット)
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脂っこいものは避ける(焼き鳥や刺身がベター)
など、**三重取りを避けた「引き算の工夫」**が重要です。
アルコール摂取は夕食後2時間以内で終える
アルコールを摂取した状態で眠ると、代謝が低下しやすく、脂肪燃焼も止まりがち。
理想は「寝る2時間前にはお酒を終える」こと。
早めに飲み終えて、寝るまでに代謝をある程度回復させておくことで、体脂肪の蓄積を最小限に抑えられます。
翌日の食事と運動でリカバリー
飲んでしまった日は、翌日が勝負です。
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朝:水分とミネラル(味噌汁・具沢山スープ)
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昼:高たんぱく+消化の良い炭水化物(玄米おにぎり+卵)
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運動:軽いジョギングやウォーキング、ストレッチ中心に代謝促進
「飲んだら調整する」がダイエット成功の鉄則です。
職業柄、断れない飲酒の場がある人へ
断らずにスマートに太りにくく飲む技術
仕事の付き合いや会食で、「断れない飲み会」は避けられないもの。
そんな時は、選択と順番でカバーしましょう。
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最初の1杯は相手に合わせる(ビールなど)
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2杯目以降は「ハイボール・焼酎」へさりげなく切り替え
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食事は「つまみを中心に、主食はスルー」でもOK
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飲みのペースは「会話と水分補給」で自然に落とす
「太りにくく飲むスキル」は、一種のビジネススキルでもあります。
翌日ケアの具体例(食事・運動・水分)
飲み会翌日は、以下の3つを意識しましょう。
項目 |
内容 |
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水分補給 |
常温の水+味噌汁/スープなどでミネラル回復 |
たんぱく質補給 |
ゆで卵、鶏むね、豆腐など消化の良い高たんぱく |
運動 |
激しいトレーニングは避け、軽い有酸素 or リカバリー系 |
ポイントは、体に負担をかけず、代謝のスイッチを入れること。
どこまでが許容範囲?ダイエット中のお酒の適量と頻度
減量中・維持期・増量中で考える摂取戦略
フェーズ |
飲酒の目安 |
備考 |
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減量期 |
週1回・1〜2杯まで |
食事と組み合わせに注意(糖質控えめ) |
維持期 |
週2回・2〜3杯まで |
翌日リカバリー意識でOK |
増量期(筋肥大目的) |
週2〜3回まで |
筋合成への影響を考え、トレ後は避け |
週〇回、1回あたり〇mlまでが現実的なライン
まとめ:お酒は敵じゃない。選び方と飲み方がすべて
「お酒=太る」ではなく、
**「太りやすい飲み方をしているだけ」**というのが、本質です。
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蒸留酒を選ぶ
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糖質×脂質の組み合わせを避ける
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飲む頻度とタイミングを整える
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翌日にきちんとリカバリーする
これらを実践できれば、
お酒を楽しみながらでも、体を変えていくことは十分に可能です。
むしろ、無理な我慢よりも、賢い選択の積み重ねがダイエット成功のカギ。
“我慢するダイエット”から、“続けられるライフスタイル”へ。
NoLimitでは、体を変えることを通じて、人生の可能性を広げていきたい人を応援しています。
「飲みながらでも変われる」ことを、自分の体で証明していきましょう。